禁煙プログラム(あいあいバックナンバーより)

~「むづれは」における試み~

上山病院小林武史

「禁煙のプログラムがあるといいのになあ…」

上 山病院精神科デイケアセンター「むづれは」にて禁煙プログラムがスタートしたきっかけは、デイケアの喫煙室における喫煙者同士の喫煙中の何気ない会話から はじまりました。それは大袈裟かもしれませんが、アルコホーリクス・アノニマス(AA:アルコール依存症者の自助グループ)が、二人のアルコール依存症者 の偶然の出会いから始まったのと似ているように思います。

平成14年の健康増進法の制定以来、社会では喫煙に関する問題がことあるごとにク ローズアップされてきました。値上げ、受動喫煙、健康…。そのような喫煙者を取り巻く世の潮流はデイケアにおいても例外ではなく、喫煙するメンバーやス タッフから禁煙に関するプログラムを待ち望む声が高まり、今年10月より禁煙プログラムがはじまりました。就労支援プログラム、ダイエットプログラムにつ づく、新プログラムの第3弾です。

プログラムの内容は、主に禁煙に関する書籍の読み合わぜや、禁煙に関する啓発ビデオの鑑賞を行っていま す。一回につき30分程度で、週に2~3回実施します。プログラムへの参加は強制ではなく、あくまで自主的に参加してみようというメンバー限定となってお り、これまでに3名の喫煙者が名乗りを挙げ、約1ヶ月にわたり計8回のプログラムを終了しました。気になるのはその結果ですが、参加したメンバー3名中2 名、担当したスタッフもついでに1名、計3名が禁煙を始めています。

このプログラムは禁煙の「導入プログラム」といえるでしょう。これとセットとして「継続プログラム」も併ぜて検討していく必要があるようです。今後も内容の吟味や、効果のモニタリングを行い、プログラムを継続していきたいと考えています。

(精神科デイケアセンターむづれは精神保健福祉士)